再生医療

2009年6月24日 (水)

第037回「再生医療①」①/4

037

ルビを付け忘れました・・幹細胞(かんさいぼう)

2007年11月5日放送NHKスペシャルで放送された

「眠れる再生力を呼びさませ~脳梗塞・心筋梗塞治療への挑戦」

【詳細】これもDVD化して欲しいですね~

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日本初の臨床試験を実施した

札幌医科大学付属病院 脳神経外科では

現在でも神経再生医療の臨床試験が行われており、

受け入れ条件は・・・

●札幌近郊在住

●年齢20歳~75歳

●脳梗塞発症から3週間以内

近郊の方は、身近な方が脳梗塞で倒れた時に

rt-PAで血栓を開通させれた場合

[rt-PAについて→【第004回「急性期治療」】]

札幌医科大学付属病院の神経細胞

再生治療を受けたい事を主治医に

伝えてみると良いかと思います。

(札幌医大に搬送されるのが一番良いのですが)

他に臨床試験が行われている所は、

大阪の国立循環器センターでも実施される様な

情報があったものの、頓挫したのかは分かりませんが

国立循環器センターの臨床実施情報には明記されて

いなかったので、されていないのかもしれません。(´・ω・`)

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今年の6月に、京都大学再生医科学研究所の

中村達雄准教授らが動物実験で、

おなかの脂肪から取り出した幹細胞で

脳神経の再生に成功したという事です。

その幹細胞がどの様な分化が

できるのかは未知数ですが・・

脂肪の場合、骨髄を摂取するよりは、患者さんの

負担を軽減できる事もあり、人への応用にも期待です。

中村達雄准教授らのチームは、脳腫瘍の手術後や

脳梗塞などで欠けた部分を補う治療法につなげる

一歩にしたいという事なので慢性期の

脳梗塞患者には嬉しい言葉ですね。

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テレビでたまたま観ていたものの、録画できなかったのですが

アミノレブリン酸」(=ALA)についても

再生医療の分野でも注目されていくと思われます。

ALA開発研究をされた田中徹さんと大阪医科大学が

共同研究し、急性期の脳梗塞のマウスに投与した所・・

壊死しかけた脳細胞が再活性化されていき、

その後マウスは、運動機能が回復していくのが

確認されてます。ALAは骨髄幹細胞と比べて、

どれぐらいの再生力があるのか

まだまだ未知数ですが・・・急性期の脳梗塞で脳の壊死が

抑えられるだけでも素晴らしい事だなぁ感心しちゃいます。

【前回】→第036回「神経細胞②」

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第038回「再生医療②」②/4

038

人工多能性幹細胞(じんこうたのうせいかんさいぼう)

胚性幹細胞(はいせいかんさいぼう)

札幌医大で行われている臨床試験は、

【骨髄幹細胞】が【神経幹細胞】に分化される為

脳神経の再生医療に応用されているという事です。

●6月25日追記です。

読売新聞朝刊でiPS細胞の臨床研究について書かれていました。

Ips

様々な疾患で苦しむ人々にとって救いになるといいですね。

【追記】2014.9.12

新聞の記事は2009年のなので本当に5年以内に

加齢黄斑変性症の人への手術が行われましたね。

本当すごいです。今後の臨床研究に期待です!

【追記】2016.1.6

2015年12月4日に行程表が変更されました。

Ips_2015124

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第039回「再生医療③」③/4

039

マンガで紹介した作製方法については、初期の作製です。

現在も世界中の研究者達が試行錯誤しながら

iPS,ES細胞の研究は進化させ続けています。

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第040回「再生医療④」④/4

040

iPS細胞があるから、ES細胞の研究は

止めていいという事ではない。

・・とiPS細胞発表者の山中伸弥教授が仰られています。

ES細胞があるからこそ、iPS細胞を作製する事ができたので、

今後、iPS細胞の研究で、問題が生じた時に

オリジナルの型であるES細胞を並行して

見合わせながら、開発していくと思われるので・・

iPS細胞、ES細胞は一心同体と考えた方が

いいのかもしれません。

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人からのES細胞の作製に初めて成功した

ジェームズ・トムソン教授のグループは、

山中教授のグループと同時期に、iPS細胞と

同じ働きをする細胞を作製をしていましたが、

論文の発表は山中教授が先でした。

(かなりの早さで論文が受理された様です。)

トムソン教授から山中教授へ

「競争に負けたのは悔しいが、相手が山中たちでよかった」

という内容のメールを送りました

ES細胞だけしかなかった頃は、再生医療の実現が難しいと

いう事でなかなか発展しませんでした・・その間、韓国・黄教授の

ES細胞論文捏造事件(私はバラエティ番組で

紹介されていた事で知りました)

などもありましたが、iPS細胞の発表により

再生医療の研究が飛躍的に発展しました。

アメリカでは、iPS細胞の発表で

研究費が増額され、(オバマ政権でES細胞研究費にも)

日本ではiPS細胞の研究費に文部科学省は

2008年度45億投じられましたが、

アメリカの研究費は約10倍。

2008年度iPS細胞に関する論文はアメリカが

圧倒的に多く、山中教授も研究費が投じられた

にも関わらず「1勝10敗」と海外に遅れている

事を不甲斐なく感じている様です。

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第041回「再生医療とリハビリ」

041

細胞分裂をする度に「テロメア」が減る事が

年を老う事に繋がっていますが・・

テロメアが減らない様に調整してくれるのが

酵素テロメラーゼ」の役割です。

しかしテロメラーゼは正常の細胞には働かず、

ガン細胞には働くので死滅する事が無いのです。

このテロメラーゼの研究も進められており、

将来テロメラーゼを自在に調整することができれば

正常な細胞に対し、アンチエイジング(抗老化)。

・・極端な話100年生きても、見た目は20歳ぐらいと

いう事も可能になっていき、

ガン細胞に対するテロメラーゼの働きを

止めさせる事で、不死化していたガン細胞を

死滅させる事も可能となるという事です。

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脳卒中で半身マヒとなった身体

行うリハビリの定義とは・・・

リハビリという「刺激で、神経細胞のネットワークを

再構築させ、正常な脳細胞(損傷した脳とは反対側の

正常な脳)へと結びつける事で、脳の壊死で失なわれた

機能を正常な脳細胞に行わせるという事を

目標に、リハビリし続ける事かと思います。

2009年3月24日にNHK・BSハイビジョン

「復活した脳の力テイラー博士からのメッセージ」

で放送されたテイラー博士の姿を初めて拝見しましたが、

脳卒中で半身マヒが残っていた事を全く感じさせない

動作で、散歩をしたり、ギターを弾いていたりしていたので、

テイラー博士はもちろん、人間の脳の能力に感動しました。

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